東京駅ではどのお土産を買うべきか?

東京駅ではどのお土産を買うべきか?

今や駅構内は「東京ばなな」の天下であり、その傍らに「ひよこ」が奥ゆかしくたたずんでいる、という感じではないだろうか。

しかし残念ながら「東京ばなな」「ひよこ」は土産の正解ではない。
土産は貰うがわに心地よい驚きを与えなければいけないのである。

東京以外で生活する誰かに、ちょっとしたお土産で心地よい驚きを与えたいものが向かうべき場所は、一つしかないーー八重洲口の大丸の一階である。
そしてここで買うべきものこそ、舟和の芋ようかんと満願堂のいもきんだ。

二つとも芋かよ、芋好きの偏った意見は聞かんぞ、と思われたかもしれない。
しかし、あなたが芋ようかんといもきんを食す機会に恵まれたなら、わたしの言葉を一瞬にして理解するだろう。
めちゃくちゃうまい。

舟和の芋ようかんはメジャーなので説明は不要であろう。ということで、満願堂のいもきんについて、お伝えしたい。

舟和の芋ようかん同様、いもきんの賞味期限も24時間と短い。
なぜなら店頭で焼いてほかほかの状態で販売しているからだ。
この焼き立てほかほかのいもきんは本当にすばらしい。しっとりクリーミーな中に、つぶつぶと芋の食感が残っている。
芋ようかんがずっしりみっしり均一なのに比べ、いもきんは芋の個性を残した感じである。
芋ようかんが華族の箱入り娘なら、いもきんは下町の看板娘。
木の皮に包んで渡されるのも江戸らしくて粋である。

とにもかくにも、東京駅で買うべきはこれらの芋の塊であり、喉のつまりに注意しながら、こたつで熱い茶とともに供されたいのである。

コメント

人気の投稿